見たことのない工芸品
食べた事のない郷土料理
いろんな知らない魅力がまだまだ
今『ふるさと納税』をおススメする理由は
いつ終わるか分からない制度だから。
現に前の会社ではいつも来年にはなくなるかもと『ふるさと納税』のチームの人員は増やさないと公言。
地獄の日々だったなぁ・・・
ざっくり言えば来年度の税金の前払いをしているようなもの。
住んでいる自治体の納税額が減る分は「地方交付税」で補填もある。
だがこのコロナによる経済悪化、頻発する自然災害等で地方交付税も年々厳しくなりつつある。
実際を言えば仲介サイトは手数料を取りすぎ。
そこがどうしても引っかかっていた。
しかもクレーム対応等も自治体から手数料として取っている。
だが現場で対応している社員には1円の還元もなかった。
仕事の内容自体はいいのだが、会社として利益最優先、しかも還元先が社長だけという現状。
限界ギリギリで働いていても、基本給のみ。
労働基準監督署が査察に入ってからようやく、時間外が認められたがそれも毎日理由と予定時間の申請が必要だった。
休憩時間もほぼ0。こちとらそんなの書く時間すらねぇんだよ💢
『ふるさと納税』を続けていくうえで、1番いいのは自治体自らが管理・運営していくこと。
だがまだそこまで手が回らないのと
「大変だからヤダ」
「もっとふるさと納税で潤いたい」というのが本音だろう。
自治体の税金の荒稼ぎを目的とするのではなく
地場産業や農水産業、伝統工芸などを広く認知してもらうための制度なのだから
本来ならば生産者と自治体で運営する方向へかじ取りをするのが理想。
ただ悲しいかな公務員。
上は「もっと収入を」としか言わないような天下り役人が多い。
あちらもギリギリの人間で必死にまわしていた。
でもその中でも
「うちのふるさと、すごいんだぜ!」
「こんな特産品はうちにしかないぜ!」
と生産者さんのために、アツク奔走しておられる職員さんもいた。
また、地道にコツコツと先祖代々の田畑を守り休みなく働き、
命を懸けて漁に出て、熟練に熟練の道を究め伝統を守り抜く人々を見てきただけに
どうか日の目を見てほしいと願わずにいられない。
大企業はいい。ハッキリ言って。
余力もあれば、人員もある。お金もある。
だけれど後継者不足に悩みながら、田舎で電話とFAXで必死でやりくりしてる高齢な生産者さん達も未だ多い。
そんな方達から
『はーもう、いんたーねっと、ての?よくわからんで迷惑かけたねぇ。』
『こんなになるなんて夢みたい!』
『たくさん注文来るから、初めて機械が買えたよ』
『今までJAか近くの道の駅くらいでしか出なかったのに、日本中いろんなとこから頼んでくれるなんて』
『私たちだけじゃあ大変だからって、今度息子が帰って一緒にしてくれるって(涙)』
『なーんも自慢はないけど、うちのは美味しいから。食べてってよ』
もうこんなのを言われたら、やるしかないじゃないですか。
「はーもう無理もう限界」血走った目でひたすら画面を見る毎日でも
「辞められない・・・」と思うのはこういった生産者さんたちがいたから。
毎日のように「どうしよう」と相談を受け
クレームが来れば対応策を
収穫を確認しては在庫調整を
来年度に向けて販売戦略を一緒に練り
もう自分が何の仕事をしているのやらわからなくなっていった💦
それでも毎日入ってくる寄附受付の中にある、自治体へのコメントで
『おじいちゃんの所でよく食べていました。懐かしいです』
『亡くなった母が好きだったお花です。植えて来年を楽しみに待ちます』
『幼い時に父が運転して連れて行ってくれたことを思い出します』
『皆さんも大変でしょうが、頑張ってください』
そんなメッセージに励まされる毎日でした。
制度自体には問題も多い。
改善すべき点も山ほどある。
それでも
遠い、遠い田舎の山や海や町で
小さな雑貨屋さんや
家族で頑張っている農家さん
SNSで交流を図る果実園のお嫁さん
いろんな人たちの思いが込められている
少なくとも私が出会った人達は
「せっかくだから、美味しく食べてもらいたい」
「うちの牛には自信がある。どこにも負けん」
「魚の鮮度を保つために日々試行錯誤」
「美味しい食べ方をイラスト付けますね」
一生懸命と愛情が入った大切な贈り物
だから、頑張ってもらいたい
そしていつか、ボチボチでいい。
できるだけ。無理をせず。
地元の自治体と事業者さんだけで『ふるさと納税』をしてもらいたいと願っている。
今は、国の制度を大いに利用してやろうではないか。
たくさんのいろんな特産品を、みんなに知ってもらえる機会として。