不登校から見えてきた未来 by 子連れ狼旅日記

不登校になったコドモとの日々🍀そこから見つけた新しい人生🌈のんびりあせらずいきまっしょい

通信制高校への偏見と闘う生徒たち

偏見。先入観。

過去の古い記憶。

思い込み。

 

時代はアップデートの連続

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兄者、お休みを取って母校のスポーツイベントの応援に行ってきました。

 

通信制高校のスポーツフェスタ。

 

昨年、兄者のクラスの女の子が発起人となり、立ち上げたものです。

 

彼女は病気が原因で不登校になり、全日制高校から通信制高校へ移ってきました。

そこで本音で付き合える友達や信頼できる先生方と出会い、生徒会長を務めるほどたくましく成長していきました。

 

その中で通信制高校への偏見》

という壁にぶつかります。

 

私自身、正直最初は偏見の塊でした。

全日の高校に通えず来ている子どもがほとんど。

荒れた子がいるんじゃないのか。

ヤンキー(死語。すでに絶滅種)がいるんじゃないのか。

授業など成り立たず、皆遊んでばかりいるんじゃないのか。

 

実際学校を訪問し、他の生徒さん達ともお会いして、古い誤った認識を持つ自分を恥ずかしく思いました。

www.kozure-ookami.xyz

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 傷ついた子どもたちがやってくる通信制高校

心無い言葉や無理解の世界で生きてきた子どもたちは

ここでようやく安住の地を得ることができます。

 

それも信頼できる友達と先生がいるから。

 

自分たちの領域を守り、踏み込むことを苦手とする子どもたちは、お互いの距離感を大事にします。

そのうえで、いい意味で気を使いあう。

精神的には大人です。

人を傷つけるような言葉を平気で投げつけるような子は、ここにはいません。

 

そして生徒からの意見を真っすぐに聞いてくださる先生方。

アドバイスし、時には厳しいことも言われます。

授業はオリジナリティにあふれ、でも普段一緒に過ごす時は、生徒と同じ目線で一緒に物事を楽しむ。

 

学校自体が信頼感で包まれています。

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でも、1歩外へ出ると厳しい社会の目。

通信制高校だから」というレッテル。

 

制服は基本自由(面接のときなどは学校からレンタルもできます)なため、私服でいることがほとんど。

就職や大学の事前説明会で、あからさまに冷たい視線とぞんざいな対応を受けることが少なくないそうです。

 

そんな話を、大好きな先輩たちから泣きながら聞いた彼女は

通信制高校を知ってもらいたい。悪いイメージを払拭したい』

先生方に提案をしました。

 

通信制高校だけのスポーツフェス。

 

彼女から話を聞いた先生方が、全面的にバックアップしてくださいました。

 

県や市の教育委員会、他の通信制高校含むフリースクール、各関係方面へ

彼女たち生徒を主軸とした企画が動き出しました。

 

でも当然ながら、道のりは険しかったようです。

 

他のフリースクールからも参加を断られたり、各方面へ理解と応援に廻っても

冷たい態度も多く、会議の中でも「本格的なスポーツ」を望むところもあったりと何度も挫折しかけたようです。

 

 

普段が学校へ行けていない子どもがほとんど。

インドア専門ですから

ガチのスポーツはかなりキビシイ。

 

そこも踏まえたうえで種目もみんなで考えまくり、

『参加するみんなが楽しめるもの』をとアイデアを出し合います。

 

なんとか開催にこじつけ、告知として生徒自らがテレビにも出ました。

もちろん顔出しで、です。

勇気がいったことでしょう。

それでも『なんとしてもやるんだ』という熱意のもと

開催された初の通信制高校スポーツフェスタには

各校たくさんの生徒が参加をしてくれ、

また専門学校等、企業も協賛をしてくれました。

 

種目はドッヂビーやキンボール等、プレッシャーのない、ゆる~いものが多いのですが

あなどるなかれ、アレ結構難しいのですよ。

お互いの役割を考え、頭脳戦とチームプレイがモノをいうので、かなり白熱します。

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ラストは学校対抗、先生のリレー対決。

うちの先生は完全にお笑いに走っていましたが(笑)

 

地元のゆるキャラも途中応援に駆け付け、その盛況ぶりは新聞テレビでも報道されました。

 

彼女の思いは、卒業式の答辞の時に聞きました。

 

真っすぐな、一生懸命な気持ち。

大好きな仲間を、学校を分かってもらいたいとの純粋な気持ちに、保護者みんな涙が止まりませんでした。

 

そしてそれをクラスメートとして間近に見てきた兄者も

精いっぱい応援をしてきました。

 

 

 

あれから1年。

今年は色々と制限もある中での2回目の開催。

 

なんと3校増えて、生徒数も前回を大幅に上回り

前回は市の小体育館を借りてしていたのが、今回は大体育館になっていました。

 

 

そして兄者にはもう一人気になる子が。

前回参加の母校の文化祭。 

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出店を手伝いながら、後輩から来ていない子の相談を受けた兄者。

『テストも受けに来てないから心配で・・・』

もう、あと少しで卒業。テストは必須です。

 

すると兄者、文化祭が終わってから作ったものを手土産に、後輩とその子の家庭訪問へ行っていました。

 

ビックリするご両親と本人(゚д゚)

そりゃそうだわw

 

『とりあえず、出ておいで。大丈夫だから。一人で考え込まなくていい。先生たちが必ずサポートしてくれる。みんな、待ってるよ。』

 

すると翌日から学校へ(毎日ではないけれど)その子がまた来れるようになったと、事務の先生が嬉しそうに教えてくれました。

 

思わず「アンタもテスト受けんで休んでたのによ-言うわ-」と笑いながら言うと

真顔で「だから気持ちがわかるんだよ。ってかそんな俺だから言えるんじゃん♬」と。

 

今年のスポーツフェスタには、彼の姿もあったそうです。

キンボールは接近戦のため今年はウルトラクイズに模様替え。

みんなと笑いながら、めいっぱい楽しんでいたと。

 

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卒業してから、本当にいい学校だったと述懐する兄者。

 

だからこそ、せっかくの「今」を楽しんでほしい

 と。

 

「仕方ない」と諦めるのではなく挑戦した彼女

その思いを受け継ぐ後輩たち

そして全力で支えてくださる先生方

 

 

先生方が全力疾走できるうちに応援に行ってみようかな~と思っていましたが

 

今年先生方は借り物競争になり、

ラスト、各校選抜の生徒の対抗リレーになっていたらしい。

 

若人の祭典には体力的に厳しかったかな(笑)

 

来年も楽しみだねぇ~♬