言葉が生きる 意味を持つ
【言霊】という響きが私は好きだ
少し前になりますが
《谷川俊太郎展》に行ってきました。
詩人として有名なその人を
私は今まであまりよく知りませんでした。
鳥越俊太郎氏とごちゃ混ぜになるくらいですから・・・(;^ω^)
たまたま谷川氏の個展の紹介で見かけたチラシ。
少しだけ触れた詩の世界が心地よく
もう少し見てみたい、という気持ちが湧いてきました。
『自己紹介』
私は背の低い禿頭の老人です
もう半世紀以上のあいだ
名詞や動詞や助詞や形容詞や疑問符など
言葉どもに揉まれながら暮らしてきましたから
どちらかと言うと無言を好みます私は工具類が嫌いではありません
また樹木が灌木も含めて大好きですが
それらの名称を覚えるのは苦手です
私は過去の日付にあまり関心がなく
権威というものに反感をもっています斜視で乱視で老眼です
家には仏壇も神棚もありませんが
室内に直結の巨大な郵便受けがあります
私にとって睡眠は快楽の一種です
夢は見ても目覚めたときには忘れていますここに述べていることはすべて事実ですが
こうして言葉にしてしまうとどこか噓くさい
別居の子ども二人孫四人犬猫は飼っていません
夏はほとんどTシャツで過ごします
私の書く言葉には値段がつくことがあります『私―谷川俊太郎詩集』より
引用元⇒ 谷川俊太郎の“スゴい”詩7選
まずもって88歳で今なお現役でご活躍中!
それでいてこの遊び心あふれる詩にとても興味をひかれました。
展示会場は最終日、かなりの賑わいでした。
ここ / いるか / かっぱ - Installation for TANIKAWA Shuntaro
入ってすぐ、音と光による詩の朗読
単調な、それでいて見入ってしまうような不思議な感覚
《詩》ってムズカシク考えてしまうけれど
自由でいいんだなぁ~と改めて感じてしまう
バカボンのパパとだってコラボしちゃう
『🎵空を超えて~ラララ』あの有名な鉄腕アトムの歌も谷川氏
あの『スヌーピー』の原作マンガや『マザーグース』『スイミー』翻訳家としての顔
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機械いじりが大好きなお茶目な一面
たくさんの詩の中で一番ココロに残ったもの
『死んでから』
死んでからもうずいぶんたつ
痛かった思い出が死後はむず痒くなった
私という存在が何かに紛れてゆくが
その何かを呼びたくとも
言葉はもう意味をなさない
見えてはいないのに青空が身近だ
生きていた頃はなにかと騒がしかったが
いまは静かになった
前には聞こえなかった音が聞こえる
どこか遠くでオーケストラが調弦している
と思ったらそれは虹の音だった
私の骨は粉になったらしい
それを海に撒き散らしたらしい
私の好みでは草原でもよかったのだが
老いては子に従えと格言は言う
これから何が起きるのか
もう何も起こらないのか
もうちょっと死んでみないと分からない
私は良い人間だっただろうか
もうおそいかもしれないが考えてしまう
死んでからも魂は忙しい
『私―谷川俊太郎詩集』より
引用元⇒ 陽系第三惑星FM谷川
今は亡き父と重なってしまう
言葉は自由自在
誰のものでもなく
とてつもない力を秘めてるんだなぁと
感じたひとときでした