子どもからのマジ蹴り
すごく痛い。心も痛い。
でも兄者はもっと苦しかっただろう
中学校での不登校の時期
兄者とものすごく言い合いをしたことがあります。
お互いヒートアップして
普段は温厚な兄者が
リストカットしかけたことを叫び
「おれの気持ちも知らないくせに!」と
私のお腹に強烈なマジ蹴りをくらわせてきました。
痛さよりもショックのほうが大きかった。
いや、ものすごく痛かった(涙)
そこで見かねた父が止めに入りました。
父があんな風に感情を出した事を、見たことがありません。
兄者に
「どんな理由があっても、女の人や、
お母さんに手を挙げるのだけは
絶対にしたらいかん」と
そして私に
「お前もお前だ。言いすぎる。
もっと冷静になれ。
もうこれ以上は言うな。
お父さん(主人)に任せろ」と。
両成敗してくれたので
お互いクールダウンもでき
兄者は涙をぽろぽろこぼしていました。
私は急に
兄者の言った「リストカット」の言葉が
今更のようにのしかかってきて
叫びだしたい衝動にかられました。
だめだ
平常心でいられない
私は家を飛び出すと、
車を運転しながら大声で
泣きわめきました。
助けて誰か助けて
姉のところも小学生の子どもがいるので行けない
夜に友達宅へ行くわけにもいかず
思い余った私は
中学校の保健の先生に連絡を入れていました。
先生は電話口で2言3言話すと
いつもと違う雰囲気を察し
すぐに飛んできてくれました。
先生と会う頃には、少し落ち着きを取り戻していましたが
やはりまだ心が揺れまくりで
そんな私に先生は
「お母さん、良かったじゃないですか!」
???と思っていると
「ずっと自分の気持ちを言えなかった彼が、
やっとお母さんに言えたんですよ。
自分が辛かったことを。
それは大きな前進じゃないですか!」と。
確かにこの頃も
なかなか考えていることや、
何があったのかなど
話してくれずにいたときでした。
「いいんでしょうか・・・
でも先生リストカットですよ・・・
私全然気づきもしませんでした」
でも先生は
「そんなに何でもかんでも分る訳ないでしょう。
大事なのは、彼が話してくれた、そのことですよ」
その後も先生は明るく、笑顔でずっと話してくださり
どうにか私の気持ちも、前に向けるようになりました。
でもちょっと残念そうに
「お母さん、私でよければいつでも
話を聞きます。
今度はご飯も食べに行きましょう🎵
でも、本当は私じゃなくて、
お母さんの気持ちを話す相手は
ご主人なんだけどなぁ」
……そういや、いるんだ。
でもあのショックと悲しさと恐怖と
ごちゃ混ぜの感覚の中
主人の顔すら浮かびもしませんでした。
お礼を言って別れ、さあ帰ろうと携帯を見ると
父からの着電がものすごい事に・・・
しまった。電源を切っていたため全く気付いていませんでした。
私が兄者を心配するのと同じように
父も私の事を心配していたのです。
すぐに帰る、ごめんとSMSをうち
帰って顔を出すと
「いい、大丈夫なら。ちょっと心配だったから」
父は夕飯も食べず、ひたすら待ってて
くれていました。
申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
かたや主人は帰ってきて私が出て行った事を聞いても
「ふーん」と一言だったらしく。
酒飲んで爆睡してました。
父の私への思いの深さを知っただけに
主人への冷ややかな思いがあふれるばかりでした。