逃げることも一つの方法
戦う気力も
生きる気力すらも失う時がある
「逃げてもいい」
弟君の卒業式の時
友人が来賓挨拶で言った言葉を
かみしめる自分がいる
夜中に起きて黙々とゲームをする。
ひたすら携帯をいじる毎日になりました。
しゃべらず、ご飯もあまり食べなくなりました。
カーテンを引きっぱなしの部屋で
話しかけても返事もしなくなりました。
お風呂が大好きだったのに、かろうじて入るくらいに。
頭もぼさぼさで、表情もなくなっていきました。
あんなにニコニコと表情豊かに
いつも笑って
うるさいくらいに、おしゃべりだった息子が
死んだような目で
話すこともなくなり
布団をかぶり、完全にシャットアウトの状態で
まるで別人のようでした。
それでも話しかけているとき、
何かが足に当たるので、ふと見ると
ベッドの下から
カッターが出てきました。
血の気が引きました。
黙って気づかれないように、そっと持ち出すものの、
またしばらくするとベッドの下に置いてあるのです。
最悪な状態が始まりました。